現在、上田選手が出場しているオクセンハオゼンでの試合「Challenger」数日前に公式撮影に行くチームバスの中で携帯電話を見ていると…

「今日からドイツに行きます！」というツイッターを見つけました。

松下浩二さんでした！

すぐに「こんにちは！ご無沙汰しております板垣です。ドイツに来られているんですね？どんな日程ですか？」と連絡すると、
「月曜日にオクセンハオゼンに一泊します」との事。何と偶然にも上田選手の試合が月曜日と火曜日。私も月曜日にオクセンハオゼンに行く予定だったのでお会いすることができました！

私が指導者をスタートしたばかりの時、選手を引率してドイツで練習をしました。その年は松下さんがブンデスリーグ1部のデュッセルドルフと契約した最初の年でした。松下さんのデビュー戦を見に行き、割り箸に紙を貼って作った日の丸を振って応援しました。その時の松下さんの姿が本当に格好良く「こんな熱狂的な卓球ファンの前でいつか卓球ができたらなぁ」と夢見たのを思い出します。残念ながら選手としは余りにも実力不足、夢の実現はなりませんでしたが、今こうやってヘッドコーチとしてドイツで生活しているのも、目の前で松下さんの姿を見たことが全ての始まりでした。

その先駆者である松下さんにもとうとうラケットを置く日がきました。「この大会後に引退します」と発表した年の全日本選手権。松下さんの最後の試合の相手は上田選手でした。試合終了後、上田選手が卓球界のレジェンドに深々と頭を下げていた姿が今でも脳裏に焼きついています。

その2人がオクセンハオゼンで再会。「2023年6月5日。ドイツ・オクセンハオゼン」でしか有り得ない超偶然のタイミングでした。

「卓球界の賢人」と日本では称される上田選手。思慮深く慎重に物事を進める思考の、上田選手のドイツへの思い切った挑戦。松下さんも本当に喜んでくれていました。

上田選手と正反対の「思い立ったら吉日。即行動し、周りに迷惑を振りまいてしまう」私、板垣…

ドイツでのもう一つの夢に向けて行動していきます。今回ばかりは「思い立ったら吉日」では実現できません。たくさんの方々のご理解とご協力が必要なので、上田選手を見習って「慎重に」進めていきたいと思います。