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板垣孝司ブログ
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ドイツ1部監督。青森山田前監督

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板垣孝司の全レシーブ克服
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元青森山田学園卓球部監督、現ドイツプロリーグ1部チームのヘッドコーチ。初心者からトップ選手、ジュニア選手に有効な練習方法まで色々なテクニックを紹介します。
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2015年7月26日 17:04 公開

青森山田10年生が放った渾身のパワーチキータ! 上田 仁選手

青森山田10年生が放った渾身のパワーチキータ! 上田 仁選手

        (写真提供:バタフライ)
上田 仁選手
(青森山田中学~青森山田高等学校~青森大学~協和発酵キリン(株))

青森山田高校卓球部を吉田安夫前総監督が強化され始めた当初は高校のみのチームでしたが、次第に全国から優秀な中学生も「世界を目指して!」青森山田に来てくれるようになりました。ただ当時は青森山田中学校は設立されていなかったので、公立青森南中学校に生徒たちは在籍していました。平成13年4月、福原愛選手・高木和卓選手・大矢英俊選手らが中学1年生となった年から青森山田中学校がスタートしました。青森大学卓球部の強化も始まり「中高大一貫強化システム」が出来上がりました。
 中学校第1期生で高校~青森短大を卒業した大矢選手は「山田8年生」。
 中学3年生10月に青森山田中学校に転入し、高校~青森大学を卒業した松平賢二選手は「山田7.5年生」。
意外にも、純粋に中学~高校~青森大学の10年間を青森で過ごした「山田10年生」は十数年の歴史の中でも一人しかいないんです。

小学校時代に全日本ホープスで上位に進出した実績がなかった上田選手ですが、毎日毎日、努力と研究を積み重ね、たった1年で全国中学生のトップクラスに躍り出ました。中学2年生からはカデットの日本代表としてプレーし、全日本ジュニア2連勝は素晴らしい実績です。また高校2年生の全日本卓球選手権男子シングルスでは3位に入賞し、2009年世界卓球横浜大会日本代表にも抜擢されました。横浜大会の活躍を見ていたドイツのあるクラブからオファーがあり、邱コーチのフリッケンハオゼンで練習をしながらブンデスリーグでプレー、アテネオリンピック金メダリストである柳承敏選手に勝つなど、「上田スタイル」を確立させ始めました。

大学生活も後半に入ったある日、練習場の入り口で上田を呼び止めました。
「上田、来期もドイツでプレーしなきゃダメだよ。今、どんどん力が付いてるし、世界選手権に出るには厳しい環境でプレーしたほうが良いんじゃない?」
「板垣先生、賢二さんが卒業したら大学生がセンター(青森山田学園国際卓球センター)に少なくなります。僕が全体のキャプテンとしてチームをまとめなきゃならないと思うんで、来期は国内でプレーします。」

自分自身の向上よりもチーム事情を優先する….。涙腺の弱い私は上田の前で涙を流すわけには行かず、俯いたまま部屋に戻りました。
その責任感の強さ、誠実さは天下一品です。吉田安夫総監督が退職され、中・高・大を私一人で見る。練習は中・高・大の日程を確認し計画を立てて行えば可能ですが、私が大会の引率時には練習監督がどうしても不在になります。ここは最も信頼できる上田にお願いするしかありませんでした。インターハイと重なる東北中学、全国中学のベンチにも入ってもらい、先輩として、私と違う角度から選手に接してくれました。中学生の保護者からも絶大なる信頼を受け、このころには青森山田の陰の総監督として私を本当に助けてくれました。自身のプレーヤーとしての更なる向上は勿論のこと、チームのまとめ役として頑張ってくれました。
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大学生活最後の年の全日本前、練習場での休憩中に上田が私のところにやってきました。高校2年生でベスト4に入った全日本卓球選手権から、何故か全日本だけは力が発揮できず、ランキング入りを逃してきていた上田。いつも全日本では「板垣先生はジュニア種目や中学生・高校生のベンチに入ってください。僕は何とかしますから。」と彼らしいことを私に伝えていましたが、
「先生、今年は山田10年目の最後の年なので、是非とも全日本でもう一度入賞したいんです。今年はベンチお願いします。」と伝えてきました。「こちらこそ、全力を尽くします!」

大会が始まり、順調に勝ち進んだ男子シングルス。ベスト8決定戦は勢いのある高校生でした。国際大会でも活躍しているジュニア選手を相手に上田スタイルを発揮。「チキータから4球目バックストレートに速い打球点でバックハンド!」「先に相手をフォアに離し、フォアクロスへの返球を待ってストレートにカミソリカウンター!」試合は3-2リード!
6ゲーム目、大量リードの後半、勝ちを意識してか、プレーが硬くなってきました。まずい…。
10-8タイムアウト!
「先生、次、レシーブです。フォアサイドに台から出るようにストップしたほうが良いですか?一回深くツッツいてストレートに回した方がいいですか?」
「上田、ないよ。ないない。どこにサーブが来ても迷わずパワーチキータだよ。迷う必要は無いよ。迷わず振りぬいて一撃で仕留めてくれ!」

素晴らしいパワーチキータひと振りでゲームセットの声を聞いた上田は、準々決勝で先輩・高木和選手とのフルゲームの死闘を制し、準決勝では絶対王者・水谷選手をもあと一歩の所まで追い込みました。
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このブログをお借りして感謝の言葉を再度伝えたいと思います。青森山田学園卓球部・初の10年生、お疲れ様でした。本当に貴方には助けてもらいました。
「ありがとうございました。」

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