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ドイツ1部監督。青森山田前監督

ロンドンオリンピックへの道 丹羽 孝希選手(前編)

ロンドンオリンピックへの道 丹羽 孝希選手(前編)

丹羽 孝希選手(青森山田中学~青森山田高等学校、明治大学)(以下、孝希)

松平健太選手(当時早稲田大学1年)(以下、健太)が青森山田高校を卒業し、早稲田大学所属となった平成21年度全日本卓球選手権大会。まだ青森山田高校に在学中の孝希にとって、2年後のロンドンオリンピックに出場するという夢を叶えるためには大事な全日本選手権になるとイメージしていました。それは、もし男子ダブルスで優勝できたら、ロンドンの団体戦のダブルスに出場できる選手としてピックアップされるだろうと考えていたからです。

ただ、全日本の直前に健太がダブルスの練習のために青森に来てくれましたが、所属が変わったので、全日本でのダブルスのベンチコーチは私でなく違う方にお願いしようと二人と話をしていました。

それが…..。「大会初日に」「本会場で」「急に」
 健太「板垣先生、ダブルスのベンチに入ってもらえませんか。」
 板垣「健太。オリンピックを目指すダブルスのベンチに入って、と言ってもらえるのはコーチとして本当に光栄だよ。でも、ベンチに入っても今更何にもしてあげられないよ。」
 ここで健太の名言です。
 健太「板垣先生。試合は全部自分たちでできます。板垣先生はひたすら吠えてください。」
 板垣「吠えるだけで良いの?ならできるけど。っていうか、もともとそれしかできないけど良い?」

こうして決まった大事なベンチコーチ。順調に勝ち進みましたが、流石に決勝戦前日は眠れませんでした。でも吠えるだけなら戦術を考えなくても良いし。

ただ、大事なことを忘れていました。決勝戦はテレビで生放送。声を出してはいけないんじゃないか……。唯一自分のできることすらできないかもしれない…..。この心配が自分にとっての一番の不安要素でした(情けない)。

そして不安をかかえたまま?迎えた決勝戦。岸川・水谷ペアのベンチコーチは明治大学の高山監督。私の高校時代の2年後輩です。
「ラブオール!」1本目は岸川・水谷ペアが先取点。そして高山監督が「よぉ~!」
『幸信(高山監督)ありがとうな。良いんだな。生放送の決勝戦でも吠えて良いんだな。解禁します!』

戦術的なベンチはできませんでしたが、ひたすら吠えました。何かが切れたように。
「勝てばオリンピックが見えてくる。」それだけの一念で。

試合の展開は記憶がありません。ただ、最後の1本だけは鮮明に映像として記憶しています。水谷選手がRVで孝希のフォアを攻め、そのボールを孝希が待っていてフォアストレートへ!孝希が放ったフォアハンドドライブがまるでバレーボールみたいに大きくなったように見え、ノータッチを取りウイニングショットとなりました。

表彰式後、孝希が私のところにやってきました。「先生、副賞としていただいた電波時計は板垣先生へのプレゼントです。親に相談したら、そうするべきだと言われました。貰って下さい。」涙腺の弱い板垣はトイレに駆け込みました。

「現役高校生時代にオリンピックに出場させます。」孝希が青森山田中学校に入学した時、孝希のお父さんと交わした約束。その扉が正に開かれた瞬間でした。(次回はオリンピック代表が決まるまでの道のり編を紹介します。)

(写真は、その試合後のものではありません^^)

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