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ペンホルダーが勝つには(前編)

ペンホルダーが勝つには(前編)
動画は、2014年のカタールオープンの決勝のダイジェストです。 右のシェークの選手が台湾の荘智淵選手で左のペンの選手が中国の許昕選手です。許昕選手が4-1で勝利し優勝を飾りました。今回はこのシェーク全盛の時代に活躍する許昕選手をテーマにして、考察をしたいと思います。テーマは「ペンでも勝てる」です。
ペンホルダーは、もともとシェークに比べ、サーブやストップレシーブなどの台上技術に長けているという有利さはあります。しかし、バック系の技術や両ハンドでのラリー戦はシェークの方がたけているため、日本でもペンの選手で全国大会で勝ち上がることができる選手は稀になってきています。しかし、そんな時代でも許昕選手は世界の大会で優勝を狙える位置にいます。
その最大の要因はズバリ、回り込みの打法ではないでしょうか。許昕選手は回り込みの時にほとんどの場合、右足を床につけて右足を軸に体を回転させて打っています(右利きに当てはめると左足)。動画では2セット目以降が特にわかりやすいです。このようにラケットハンドと反対側の足を軸にした打法は、直線的で威力のあるボールを出すことができ、バックサイドからフォアでシュートドライブを厳しいコースに打つのにも向いています。しかも、大きく前に踏み込むのは極端に浅い球のみで、回り込んでからの連打にも遅れることが少ないです。威力の出る打法で打つことによって、回り込んだ展開で厳しく返球され不利な展開になることを防いでいます。動画の終盤で見られるように遅れてしまったり、下から持ち上げるパターンになると逆に失点するケースが目立ちます。ペンホルダーで一番不利な展開は回り込んで攻撃した球を利用されるパターンです。しかし、許昕選手には打法でそのパターンをかなり少なくしています。
シェーク全盛の時代に、ペンホルダーでも勝てる。その秘訣は回り込みの打法です。
次回YouTubeまとめで少し懐かしい、約10年前のペンホルダーの選手の試合を紹介いたします。今回の動画と比較して、両者の回り込みを比較してみてください。面白いほど違いがわかります。
松徳学院中学校高等学校 足立泰志
 
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