夢のプレーオフ進出に向けて万全を期するために前日夜にオクセンハオゼン入り。試合当日の午前中に練習場に行くとカルデラーノ（ブラジル/WR7位）が練習をしていなかったので、ゴジー（フランス/WR30位）アックズ（フランス/WR74位）クルジスキー（ポーランド/WR198位）の3人が出場すると予想しオーダーを決めましたが、試合前の公式練習に現れたカルデラーノ。オクセンハオゼンとしても負けられない試合なので、ベストメンバーで臨んできました。

No1. カルデラーノ
No2. クルジスキー
No3. ゴジー

と予想していましたが、ゴジーが2番。クルジスキーが3番。絶対的な信頼のカルデラーノの２ポイント+オクセンハオゼンのホールでは無類の強さを見せる、今シーズン現時点で個人勝率1位のゴジーが、エースを捕まえて勝ちにくる強気のオーダー…

クニックスホーフェンは

No.1 Jin
No.2 フィリップ
No.3 バスティー

Jinは過去の国際大会でゴジーと何度も対戦し1度しか負けていないもののブンデスリーグは別物。カルデラーノに2勝されればチームとしても厳しい状況でしたが、リーグの得失点差も重要なので、もし負けても2対3、1対3と1勝でも多く勝ちたい試合でした。

1番 フィリップ対カルデラーノ。前陣での破壊力のあるフィリップの両ハンドを、それをも上回る両ハンドのパワーボールを打ち込んだカルデラーノに1対3で敗退。

2番 Jin対ゴジー。第1ゲーム8対5リードからジュースで落としたのが響き、0対3で敗退。台上の先手争いではJinに勝てないゴジーが、Jinに打たせてから中陣での長いラリーに持ち込み、Jinがゴジーの土俵に引きずり込まれてしまいました。

3番 バスティー対クルジスキー。過去の対戦は1勝1敗。センスの良い前陣でのボールさばきと両ハンドのパワーボールが持ち味のクルジスキーに対し、ゲームカウント1対1の第3ゲーム10対8リードで痛恨のロビング打ちミス。このゲームをジュースで落としたバスティーが頑張りきれるか？と心配しましたが、ここから鬼のような形相で闘志を振り絞ったバスティーが逆転し3対2で勝利！なんとか4番にタスキを繋ぎます。

4番 Jin対カルデラーノ。カルデラーノのチキータを封じるためにあらゆるサーブを駆使し、第1ゲームはジュースへ突入。何度もセットポイントを取りながらサーブからの展開であと1点が遠い…　16対15の場面で、
「バックサーブ！」とベンチから声をかけ、バックサーブからポイントを取ったJinが第1ゲームを先取！
第2ゲームこそ落としとものの、徹底したバックサーブでカルデラーノのチキータを封じ、得意の台上からの展開に持ち込んだJinが世界ランキング7位から値千金の3対1での勝利！

5番ダブルスはバスティー・フィリップ対ゴジー・クルジスキー。
第1ゲームはゴジーのチキータで4得点され落としたので、第2ゲームからは徹底してゴジーのチキータ封じ。台上からの展開に持ち込み、第4ゲーム大量リードの場面でフィリップの倒れこみながらのフォアドライブが炸裂し点数を離しましたが、逆にそこからフィリップが硬くなりイージーミスをしてしまいゲームを落としフルゲームに突入..　最終ゲームも前半リードから徐々に点差を詰められ9対8.. 次球はネットインで10対8。長いラリーを決めきれず10対9…

「バスティー！ゴー！」
勝敗を決めるこの場面でバスティーは見事なフォアフリックをゴジーのフォアサイドに叩き込んで11対9で勝利…

死闘でした… 凄い試合でした…　

心臓バクバクの試合ではありました。が興奮し過ぎず、1球1球叫びながらも的確なアドバイスができ、冷静に自撮りをすることができた自分をほんの少しだけ褒めたいと思います笑

ハイライト動画ですが、Jinの試合は少ししか入っていません。この日の試合はDYNというスポーツ番組でライブの予定でしたが、機材の故障？でライブが映らず…　よってこの試合の動画は世界で私のカメラだけにしか残っていません…

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にフル動画を提供したいと思います。

Jinがカルデラーノに勝ってくれたお陰で、私がブンデスリーグのベンチコーチとして1度も勝ったことがない選手はいなくなりました笑。

「こんだけ長くやってても卓球って未だにわからないです…。板垣さん、実戦を見ての、僕の練習メニューを組み立ててくれませんか？」

世界ランク7位に勝利したJinの言葉は、どれだけ彼が卓球と真剣に向き合っているかが伺い取れる尊い言葉です。

この勝利で3位をキープしましたが、翌日はデュダ選手がプレーするベイグ・ノイシュタッドもほぼフルメンバーのデュッセルドルフに勝利したので3位以下は団子状態。どのチームにも勝つ可能性も負ける可能性もあるので、先を計算し過ぎず1試合1試合を戦っていきたいと思います。

全日本卓球選手権が終了し、4人の日本選手がドイツに来てくれました。

専修大学の星選手はスイスリーグでプレー。クニックスホーフェンから国境越えの電車で9時間かけてスイスに移動しプレーしています。

女子ジュニアベスト8の全国中学チャンピオンの竹谷選手（右から2番目）は、女子1部リーグの2月3日と4日の試合に出場だけのために来てくれました。

早稲田大学の杉田さん（右端）は1ヶ月間クニックスホーフェンで練習し、3月2日から竹谷選手の後を継いで女子1部リーグに出場。

野田学園高校の芝選手（左端）は3部リーグ1番手として出場。

「このアングルの写真だと及川が入りますよね？やだな〜。クニックスホーフェンのレジェンドと一緒の写真に入るのは..」
と冗談を言う上田選手笑

後で知りましたが、Awayでのオクセンハオゼン戦を応援するために、サポーターがクニックスホーフェンの映画館に集まって大型スクリーンで応援してくれていたとのことです。残念ながらライブ配信が何故か映らなかったらしく「ライブ・スコア」のみを見ながら応援してくれたとのことです。

今回出場できませんでしたが、ダブルスのスペシャリストのアレグロはオリンピック出場に向けてマンチェスターでWTTに出場し、ダブルス優勝、シングルス3位という成績でした。Jinが加入し後半戦3連勝し3位に上がりましたが、前半戦のアレグロの頑張りも含め皆んなで掴み取った順位だと思います。

広い練習場での練習も可能になり、サポーターも背中を後押ししてくれます。

「結果は神のみぞ知る」ですが、夢のプレーオフ進出に向けてBestを尽くしたいと思います。